自閉スペクトラム症のパニックについて(分かりづらいフリーズ型)

見落とされるフリーズ型のパニック

 

自閉スペクトラム症発達障害の人達の癇癪、パニックは泣いたり暴れたりするイメージがありますが、私はそのようなことはありませんでした。

 

私の場合は固まってしまう ”フリーズ” と言う形で現れました。フリーズ、頭が真っ白になって思考停止。自分でコントロールするのはかなり難しいです。

 

泣いたり暴れたりすると周りから見たらすぐに分かるのに対し、フリーズは困っていても気づかれないことも多いです。私がパニックになったり困っていても、みんな口を揃えて「気づかなかった、分からなかった」と言います。

 

私は保育園に通っていましたが不安が強く、あることがきっかけで保育園にいる間だけ頻尿になっていました。動機と激しい恐怖に襲われパニックを起こすことがありました。

 

学生時代では、予想外に人に話しかけられる状態、発表などでいきなり当てられたり、意見を求められる状態になるとパニックになりました。

しかし学生時代以降ではどんなに動揺してもパニックを起こしても平然とするふりをしていました。周りの人たちは普通にできるのに、周りと同じことをしてるのになんでこんなに緊張しているのだろう。すぐにテンパる自分を情けない、恥ずかしいと思っていました。動揺しても必死で隠そうとしたり、けれどもフリーズしてしまうことを繰り返していました。うまく言葉が出ずに、パニックやフリーズを起こしていることを周りに見られることにまた激しい羞恥心を感じ、ますますパニックになるという負の無限ループを繰り返していました。

パニックに気づいている人もいるようでしたが、固まってしまうという分かりづらい現れ方をするため(必死で隠そうとしていたのもあるが)周りの人達は私のことを落ち着いている、堂々としている、と思っている人もいたようです。

 

実際小学生の時から不安が強かったため、軽い場面緘黙症もあったのだと思います。

 

この頃は気持ちの持ちよう、対人不安が原因なのだと思っていました。けれどもどうしても自分で自分をコントロールできないのが怖くて追い詰められていました。

 

気持ちの持ちようだと思って不安や緊張に強くなるための考え方をしようとして、そのための本を読んだり、瞑想や呼吸法なども試しましたが、効果はありませんでした。

 

しかしその後、予想外の事が苦手でパニックを起こしやすいというのは発達障害の特性の1つであるということを知りました、それにさらに対人不安などが重なっていたようでした。

 

発達障害でなくても、対人不安で緊張や不安が強いHSPなども予想外の事態にパニックになりやすいそうです。

 

パニックに対処する鍵は、環境と安心感です。パニックは起こす前に事前に防ぐことが大切です。

 

対策としてできることは

・本人が安心できる環境を整えること

・どういう状況でパニックになるのかを把握すること、パニックの原因を避ける工夫をすること。

・気持ちの持ちようでどうにかできる問題ではない、パニックになることを責めないこと

                                   など

 

実際に自分が自閉スペクトラム症アスペルガーだと診断されたことにより、パニックやフリーズを起こしてしまう原因が分かり、自分を責めることを止めました。

正しい自己理解は発達障害の人達にとって、少しでも人生が楽になる、いい方向に向かう救いとなります。

 

女性の発達障害は男性に比べて不安が強い傾向があると言われています。不安が強いことを責めないでください。

 

一度パニックになると抑えるのは難しいので、いかに事前に防げるかなどの工夫が必要です。